特定技能とは?制度や技能実習との違いをわかりやすく解説

こんにちは、協同組合クリエイトヒットです。

人手不足の解消のために、2019年4月から新たな在留資格である「特定技能」が新設され、日本国内の企業は外国人人材を受け入れ、企業の即戦力として一緒に働くことができるようになりました。

人手不足に悩む企業が多い中、即戦力となる特定技能の雇用に興味があるというところもあるかと思います。

そこで、この記事では、特定技能とは何かについて、制度や技能実習との違い、メリットやデメリットについてわかりやすく解説をしていきます。

特定技能とは

特定技能とは、2019年4月に新設された在留資格です。特定技能の新設により、各省庁が定めた人手不足と認められる業界に外国人の受け入れが許可されました。

人手不足と認められる業界は特定産業分野と呼ばれ、12の業種に限定されています。

12分野の業種と2019年から5年間の受け入れ見込み可能な人数については以下のようになっています。

・介護          60,000人
・ビルクリーニング                37,000人
・素形材産業             21,500人
・産業機械製造業                 5,250人
・電気・電子情報関連産業              4,700人
・建設業                     40,000人
・造船・舶用業       13,000人
・自動車整備業        7,000人
・航空業                      2,200人
・宿泊業                      22,000人
・農業              36,500人
・漁業               9,000人
・飲食料品製造業                  34,000人
・外食業                      53,000人

特定技能12業種の受入れ見込数合計は345,150人です。初年度の受け入れ人数は約47,000人と想定されていましたが、2020年3月末時点で3,987人となっています。これは昨今の新型コロナウイルスの爆発的流行や制度の整備が進んでいないという原因が考えられます。

また、特定技能は、以下の2つの区分に分けられます。

・特定技能1号

・特定技能2号

それぞれによって、在留期間や職種などの違いがあるため、各特徴を解説していきます。

特定技能1号とは

特定技能1号とは、技術や技能の水準がすぐに一定程度の業務を遂行できる人材に与えられる在留資格です。

特定技能1号の在留期間は通算で5年となっており、技能実習から特定技能1号へ切り替えることも可能となっています。特定技能1号の受け入れが可能となっている業種は上記の12分野の業種です。

特定技能2号とは

特定技能2号は、原則として特定技能1号の修了者が試験に合格すると在留資格を得られる在留資格です。

在留期間は5年間という制約のある特定技能1号とは異なり、一定の要件を満たせば何度でも更新することができ、実質的な日本の永住者になることができます。

しかし、特定技能2号の対象業種は、造船・船舶工業と建設業の2つのみとなっており、残りの10業種で労働していた外国人は、他の在留資格を取得しない限り特定技能1号の終了と同時に日本の在留資格を失ってしまい帰国しなければなりません。

特定技能と技能実習の違い

特定技能制度と技能実習制度はどちらも似たような制度のため、その違いが分からず混同しがちです。そこで、ここでは、特定技能と技能実習の3つの大きな違いを紹介していきます。

制度目的の違い

技能実習制度は、開発途上国出身者に日本の優れた技術を身につけ、帰国後に日本で培った技術を母国の産業発展に活かしてもらうという国際貢献が目的となります。一方、特定技能制度は、人材不足が深刻な企業の働き手不足の解消を目的としています。

技能実習はあくまでも国際貢献を目的とした技術移転のための制度であり、労働力として雇用するものではないということに注意が必要です。特定技能に関しては、人手不足を解消するために国が定めた制度なので、労働力として雇用することが可能となっています。

対象となる業種・職種の違い

特定技能制度の対象業種は、上記に挙げた12業種ですが、技能実習制度の対象業種は、以下となっています。

・農業関係
・漁業関係
・建設関係
・食品製造関係
・繊維・衣服関係
・機械・金属関係
・その他・社内検定型の職種・作業

このように、技能実習は可能だが特定技能は不可能、逆に特定技能は可能でも技能実習は不可能である職種が存在するので、対象となる業種・職種をあらかじめ確認しておく必要があります。

特定技能のメリットとデメリット

ここからは、特定技能制度のメリットとデメリットについて解説をしていきます。メリットとデメリットについて理解した上で、受け入れるかどうか検討するといいでしょう。

メリット

代表的なメリットは、3つあります。

人手不足の解消

特定技能に指定されている分野であれば、外国人を雇用することによって人手を補うことが可能になる。さらに、特定技能外国人には20代の労働者が多いため、人材育成をすることができると考えらます。

日本語能力

特定技能を取得するに必要なのは、技能水準試験に加えて日本語能力試験の合格だがあります。この試験の「N4(日常でよくある文章を理解できる、ややゆっくりの会話であれば理解できる)」レベル以上が合格条件である。

そのため、日本に来たばかりの技能実習生と比べて、ある程度の日本語能力があるためコミュニケーションが取りやすく、職場にもなじみやすいです。

フルタイムでの雇用が可能

留学生などの在留資格では勤務時間に制限があり、フルタイムで外国人を雇用することは難しいです。しかし、特定技能外国人は日本人と同じように雇用することが可能なため、日本人従業員と同様の働き方をすることができます。

デメリット

デメリットとしては以下のようなものがあります。

手続きの煩雑さ

特定技能外国人を雇用するためには、出入国在留管理庁への申請、分野によっては受け入れる外国人の母国の機関との面談も必要になります。手続きに関しては、登録支援機関がサポートを行ってくれるため、手続きやサポートに関しては登録支援機関に任せるのがおすすめです。

在留期限

特定技能1号は最長5年という在留期間の期限があり、どの分野であっても通算5年の期間の満了を迎えると、母国への帰国か在留資格の変更が必要となります。一部の分野では特定技能2号への移行ができ、永住することも可能ではありますが、まだまだ現状としては整備がされていない状況です。

まとめ

特定技能制度とはどういった制度なのか、技能実習との違いやメリットとデメリットについて解説をしてきました。

技能実習制度と比べると全体的に特定技能の方が自由度が高い制度といえますが、支援体制の整備は義務付けられています。そのため、入社前後にそれなりの手間や費用は発生してしまいます。

ただし、人が集まらなかったりと、人手不足に悩む企業にとっては助けとなる制度なので、外国人を雇用したい企業は積極的に活用するのがおすすめです。

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